中国政府による教育産業への介入は国民には支持されている。学習塾大手「新東方教育科技」の教室入り口(毎日新聞社/アフロ)

「新規感染者が1日5000人って、武漢の最悪期以上ですね。東京、大丈夫ですか?」

中国の友人からの指摘に頬を打たれたようなショックを感じた。武漢で医療崩壊が起きたとき、日本にとっては対岸の火事だった。ところが東京でも医療崩壊が現実になっている。しかも武漢の初期の失敗は無症状感染者を隔離できなかったこと。つまり日本は武漢から何も学ばなかったのだ。

日中を隔てる「河」は、少なくとも情報に関しては海溝のように深い。日本には正確な情報が伝わらない。その理由はすべての情報を日本式に加工する過程にあるのだろう。「独裁政権は不都合な問題を隠蔽する」「それ故、いつかダムが決壊するようにウミが大量にあふれ出す」。日本ではこうした「中国崩壊論」がいまだに支持されている。

届かない情報は武漢に限らない。中国が「新常態だ」とコロナ禍の収束と安定的な成長を宣言したにもかかわらず、日本では「曲がり角だ」「成長鈍化だ」と騒ぐ。そもそも中国のGDP成長の目標値は新規雇用需要からの逆算であって、数字は本当の意味での目標ではない。

話題になっている、IT企業や教育企業への介入も同じことがいえる。日本では批判的な見方が主流だが、それだけでは認識不足だ。