徳島市は徳島県東部、吉野川とその支流で形成された三角州にある。138もの川が流れる水都で、人口は約25万人だ。

江戸時代以降、豊富な伏流水を利用して藍染めが発達。紀伊水道を挟み、神戸、大阪に向けた藍玉の積出港として栄えた。当時の街の人口は、国内でも有数の規模を誇った。だが、川が多ければ災害に直面することも多い。台風や豪雨などにより甚大な被害があった。

この街を大きく変えたのが1998年4月に開通した明石海峡大橋である。85年に開通していた大鳴門橋から淡路島に入り、明石海峡大橋で神戸、大阪方面へ抜ける。本州とのアクセスが飛躍的に改善された。以降、神戸、大阪方面へのカーフェリーは全廃され、高速バスが充実することとなる。

だが、新幹線の開通時によく見られるストロー効果と同様に、橋の開通は、若者を中心とする人々の神戸、大阪方面への流出にもつながった。中心市街地からは活気が失われていく。