一度に数十億円、場合によっては100億円を超える資金を調達するベンチャー企業も今や珍しくなくなった。企業評価額をぐんぐん伸ばし、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場企業)となる企業も続々と生まれている。過去の本誌特集に掲載した企業も例外ではない。今後株式市場でも注目を集めるであろう「大型上場予備軍」の今を切り取る。

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人事労務のクラウドソフトウェアを手がけるスマートHRは今年6月、約156億円の資金調達を発表し、推定評価額が約1700億円となった。2019年の資金調達時は同約307億円だったため、急騰ぶりが際立つ。

資金調達会見に登壇したスマートHRの宮田CEO(写真中央)

スマートHRのソフトを使えば、従業員は雇用契約や年末調整などの労務手続きをスマートフォンやパソコンで完結できる。人事労務担当者は集まったデータを役所への電子申請にそのまま使える。

高い企業評価の背景には、過去1年でのサービスの急成長がある。SaaS企業の成長指標である「ARR」(年間経常収益、月額課金の収入を年換算した数値)は6月時点で45億円と、前年同期比で倍増。SaaSの上場企業と比べてもトップ10に入る規模だ。利用企業数は直近で4万社を超え、とくに従業員1000人以上の大企業の割合が3年前の約17%から今年5月時点で40%に拡大。一方で月次の解約率は0.4%と低い。