外国へ逃れようと空港に殺到するアフガンの人々。米軍の撤退で混乱が広がっている(Jim Huylebroek/The New York Times)

サイゴン陥落──。米国が1975年に南ベトナムから不名誉な撤退を強いられたときの光景は、当時まだ生まれていなかった世代でも思い浮かべられる。米国の敗北を鮮明に映し出した写真のような記憶。それは、その後に続く政治的、文化的な内省と苦痛を予感させるものでもあった。

首都カブールのハミド・カルザイ国際空港で国外に逃れようと必死の形相で輸送機に群がる人々の様子は、すでにサイゴン陥落になぞらえられるようになっている。実際アフガニスタンの空港で繰り広げられた光景は、サイゴン陥落と同じく米国の失敗を象徴するものといっても過言ではない。

しかし、両者を比較することには疑問も湧いてくる。アフガンにおける20年の苦戦と敗北は、米国の政治と文化に広範な影響をもたらしたベトナム戦争と、本当に比較できるのだろうか。

その答えを探るべく、筆者は何人かの歴史学者に話を聞いた。いずれも、70年代とベトナム戦争に関する著作を持つ学者たちだ。