新型コロナウイルス・デルタ株の流行で連日のように医療現場の窮状が伝えられている。これを緩和できる手段は、開業医による外来診療・往診、療養施設への訪問診療を軸として医療提供体制を拡大することであって、国民にいっそうの活動制限を強いることではない。理由を説明する。

新型コロナの被害は5月までの第4波と現状の第5波とでは大きく異なる。簡潔に言えば、新型コロナはより広まりやすくより死ににくい病気になりつつある。

第4波では新型コロナの感染者数(検査陽性者数)のピークは1日6400人で、死者数のピークは100人(7日移動平均)。これに対し、8月21日時点で感染者数は4倍の2.5万人に達したが、死者数は33人と少なくなっている。

季節性インフルエンザが流行すると国内で年間1000万〜1500万人が罹患(りかん)し、約1万人が亡くなるが、ワクチンや治療薬を使いながら、ほかの病気と同様に外来診療を行っている。新型コロナもワクチンや治療薬ができつつあり、医療現場には治療のノウハウが積み上がっている。