写真は小笠原諸島の硫黄島で公開された、米空母艦載機による陸上模擬着艦訓練でタッチアンドゴーを繰り返すFA18スーパーホーネット(写真:時事)

「三宅島(東京都)から小値賀島(長崎県)、大黒神島(広島県)と国内で300カ所は候補地として検討しましたよ。でも、あそこほど条件が当てはまる島はなかった」

防衛省幹部はかつて、そう話していた。「あそこ」とは馬毛島のことである。

2006年に日米両政府が合意した在日米軍再編のロードマップにより、神奈川県の厚木基地に所属するFA18をはじめとする空母艦載機の部隊は山口県の岩国基地に移駐することが決まった。同時に艦載機の離着陸訓練(FCLP)を行う施設の建設を日本政府は約束し、「2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定する」(ロードマップ)ことが目標とされた。

離発着訓練施設に名乗りをあげる

FCLPとは艦載機部隊が行う、タッチ・アンド・ゴーなどの訓練をいう。空母の着陸に使われる甲板は長さが250メートルに満たない。そのため、機体下部に取り付けられたフックを甲板上のワイヤーにひっかけることで、急減速して着陸させる。フックをうまくひっかけられない場合、再び急加速して飛び立たなければならない。そうしなければ、海に落下してしまうからだ。

この着陸動作には高い技量を要する。アメリカ海軍では艦載機のパイロットに長時間のFCLPをノルマとして課すことで練度を維持している。問題は、空母が母港である横須賀に入港し、補修や補給の最中にどこで訓練を行うのかだ。補給や補修の期間は長ければ数カ月に及ぶ。