SBIグループとテクノの不可解な関係 真相はまだ明らかになっていない

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実は、SBIソーシャルレンディングの調査報告書では触れられていない、SBIグループとテクノの関係がある(編集部撮影)
SBIホールディングスの北尾吉孝社長から「詐欺師」呼ばわりされた太陽光ベンチャー・テクノシステムの生田尚之社長。
前編中編では、テクノのずさんな経営の実態と、そこに資金を貸し込んできたSBIソーシャルレンディングの内情を記した。
後編では第三者委員会の調査報告書が触れなかったテクノとSBIグループの関係とともに、問題の全体像に迫る。

 

懸念や異論が出ながらもSBISLがテクノへの融資を続けた理由について、調査報告書は「営業優先・過大な収益目標の設定」を挙げ、それは「経営トップの独断による」としている。ここでいう経営トップとはSBISLの社長だった織田貴行氏(2021年2月に交代)のことだ。

報告書は「貸付者と当該債務者はいわば『運命共同体』の関係となりがちである(借りて貰うことを頼みやすく、貸すことを断りにくい状態)」としたうえで、テクノへの融資は「いわば『情実融資』とも評価できる」と厳しく指摘している。

だが、この調査報告書では読み取れないものがある。SBIグループの一子会社の社長である織田氏が、なぜ大きな権限を持っていたのかだ。

親会社を護るための報告書

「この報告書は何らかの理由で、あえてSBIソーシャルレンディングのみに焦点を当てている。『隠れ蓑』調査ではないのかとの疑念が拭えない。SBISLの社長に全ての責任を押しつけている感もあり、親会社を護るための報告書にも思われてくる」

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