きうち・たかひで 1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

世界各地で住宅価格の異例な高騰が続いている。新型コロナウイルス問題がその背景にあることは疑いがない。

コロナ対策で積極的な金融緩和が実施された影響である。低金利や資金の借り入れがしやすい環境は、個人の住宅購入を促す。また調達コストに比して投資の期待収益が高くなることも、借り入れを伴う形での住宅投資を増やす。

コロナ禍の下での巣ごもりの長期化やリモートワークの広がりによって、都市部で働く人が郊外に広い居住スペースを求めるようになったことも影響している。さらに、急速な需要回復を受けた供給不足によって生じる住宅建設の人件費上昇や、木材、鉄、銅などの原材料の価格上昇が、住宅価格を押し上げている面もあるだろう。