ビジネスは、人と人との出会いから始まると言っても過言ではない。例えば、発明王と呼ばれたトーマス・エジソンは、米フォード・モーターの創業者、ヘンリー・フォードと出会い、1900年代初頭に電気自動車に関する実験を行っている。また、スティーブ・ジョブズは、スティーブ・ウォズニアックと出会い、2人は米アップルを創業した。

運命的な出会いが、数々のイノベーションを生み出し世界を動かし、経済の原動力となってきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大を契機にビジネスの出会いは変化した。「取引先のオフィスを訪れ、名刺交換をして商談を開始する」「イベントに参加してビジネスパートナーを見つける」。これらは、これまで当たり前だった。ところが、こうした体験は貴重な機会になってしまった。

友人同士のつながりやビジネスでの出会いといった社会ネットワークが生成されるメカニズムは、多くの研究で明らかにされている。代表的なものの1つに「ホモフィリー(homophily)」がある。これは、性別、学歴、趣味、職業などにおいて同じような属性を持つ人同士に、つながりが発生しやすいという原理のことだ。

高校や大学に入学したとき、どのように友人関係を構築したかを思い返してほしい。共通の趣味、同じ部活動に所属など、同じ属性を持つ人同士で友人となるケースが多かったのではないだろうか。まさに「類は友を呼ぶ」である。

また、「共通の知人がいる人同士はつながりやすい」というメカニズムもある。AさんとBさんの関係性に、共通の友人である第三者のCさんが与える影響のことを、経済学の用語では「外部性」という。外部性とは、ある人の意思決定がほかの人の意思決定に影響を与えることだ。Aさんから見れば、BさんとCさんとのつながりは、自身の交友関係に影響を与えるということになる。