巨額の資金調達を果たした、「ひらまつ」の遠藤久社長が、今後の事業戦略などを語った(撮影:梅谷秀司)
高級レストラン・婚礼・ホテルなどを手がける、東証1部上場の「ひらまつ」。コロナ禍で経営状況が悪化するなか、7月16日にマルハン創業家一族が設立したファンド「マルハン太平洋クラブインベストメント(MTI)」と、マルハン100%子会社の「太平洋クラブ」から、第三者割当増資と新株予約権で最大約74億円を調達すると発表した。(資金調達の経緯については前編参照)
調達資金の大半は、社債の繰り上げ償還や借入金の返済といった財務体質の健全化、そして運転資金に回される計画だ。一方で、新規出店や顧客管理システムの更新など、反転攻勢に向けた使途も含まれている。
今後、MTIや太平洋クラブはどこまで経営に関与し、ひらまつ自身はどのような「打つ手」を考えているのか。さらに、かつて営業利益率約25%を誇った、業界きっての優良企業の経営はなぜ傾いたのか。遠藤久社長へのインタビュー後編をお届けする。

マルハン系2社はあくまでサポート役

――2021年3月期は、コロナの影響などの逆風で純損失が約41億円となりました。とはいえ、純資産は3月末時点で31億円ほどあります。最大約74億円という調達額は大きすぎるのではないでしょうか。

約46億円が第三者割当増資で、残りがワラント(新株予約権)というスキーム。ワラントについては、コロナ影響のさらなる長期化により資金繰りがきつくなるという、最悪の事態を考えての「おさえの保険」という位置づけだ。

それでも(ワラント分を含めても保有株は)50%は超えない。もちろん、ここまで必要なのかという節もある。だが、万が一また経営環境が厳しくなったときに、新たな資金調達策を探すのは大変だし、(事業に)集中できないだろうと。(出資元のMTIと太平洋クラブは)そこまで考えてくれた。

――募集後にMTIが保有するひらまつ株は46.86%で、筆頭株主となります。経営への関与はどうなるのでしょうか。