日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長(左)は、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官(右)との親密な関係をアピールしている(写真:左はEPA=時事、右はゲッティ=共同)

大手総合商社など125社が加盟する「日本ミャンマー協会」(渡邉秀央会長)が、ミャンマー国軍を擁護する内容を含む事業計画・方針案を採択していたことが東洋経済の調べでわかった。

ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官が非常事態を宣言した理由について、協会の方針案では次のように記述されている(原文をわかりやすく修正)。

「ミャンマー国軍は、昨年実施された総選挙に関して選挙人名簿に不備不正があったことについて90回以上も(NLD政権側に)申し入れを行うとともに、抗議し不正の証拠も示した。にもかかわらず、(アウン・サン・スー・チー氏率いる)NLD政権はまったく聞き入れず、2月1日の議会招集を通知した。こうした行為は現行憲法6条、20条等に反している」

この方針案は6月30日に開催された同協会の定時社員総会に諮られ、総会に参加した企業関係者によれば「反対意見も出ず、賛成多数で可決された」という。

日本ミャンマー協会が採択した令和3年度の事業計画・方針(編集部撮影)

国軍総司令官を信頼する渡邉会長

ミャンマーへの経済協力を目的に2013年に設立された日本ミャンマー協会には、大手商社のほか、キリンホールディングスやスズキ、KDDIなど、ミャンマーに進出する日本企業が加盟している。ミャンマー市民を暴力で抑圧している国軍を擁護するような方針案を採択したことに対し、日本企業の人権問題に関する姿勢が問われかねない。

2月1日に発生したミャンマーのクーデターについて、同協会の方針案に流れる考え方は次のようなものだ。まず、ミン・アウン・フライン国軍総司令官による非常事態宣言は、ミャンマーの憲法にのっとった行為である。

また、多数の犠牲者が出ているミャンマーの現状について、「暴徒化」「テロ行為」という言葉を用いて、市民の側にも非があるとの認識が示されている。現在のミャンマーの行政については、「憲法にのっとって民主的なプロセスで執行されている」という。