なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

米国銀行の2021年の4~6月期決算発表が出そろった。M&A(合併・買収)の活況に加え、保守的に積み増しされていた貸倒引当金の戻し入れにより業績が押し上げられ、軒並み収益は好調である。

6月末にFRB(米連邦準備制度理事会)が行ったストレステストでは、大手行は軽々と審査を通過して、コロナ危機の下で課せられていた配当・自社株買いの制限が解除された。シティだけは増配を見送るなど若干異なる判断をしているが、他の大手行は積極的に増配、自社株買い計画を着々と履行し、好調な業績と健全な財務状況をアピールしている。

しかし、手放しで安心できるとみていてよいのだろうか。懸念を3点指摘しておきたい。