ポーランドの石炭火力発電。脱炭素に向け、大規模な石炭産業を抱える国への対策も課題だ(Maciek Nabrdalik/The New York Times)

欧州連合(EU)の政策当局は、他国の公約よりも圧倒的に早く化石燃料依存から脱却するべく大がかりな立法作業を進めている。温暖化ガス排出量が中国と米国に次ぐEUは、環境規制の緩い国からの輸入品に関税を課す国境炭素税などを法案に含める考えだ。貿易をめぐる世界的な論争に発展する可能性がある。

EUの行政執行機関である欧州委員会は7月14日、約10本の法案からなる包括案を公表した。温暖化ガスの排出量を速やかに削減し、気候変動対策の野心的な目標を達成するためで、27の加盟国は2030年までに温暖化ガスを、1990年比で55%削減する方針だ。

EUの法案は、「50年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする」という、他国の漠然とした掛け声とは好対照を成す。「これは(具体策の伴わない)単なる大きな約束とは違う」と、ベルリンを本拠とする気候政策シンクタンクE3Gのアナリスト、ジェニファー・トールマン氏は語る。