JR貨物、線路使用料「30年戦争」への秘策 悲願の上場へ、残されたハードル

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

JR貨物とJR旅客各社との間で30年にわたって繰り広げられてきた線路使用料をめぐる争い。業績格差を機に、この問題に改めてスポットライトが当たっている。

西濃運輸が貸し切るカンガルーライナーSS60(JR貨物提供)

特集「JR貨物vsJR旅客」の他の記事を読む

「われわれの線路を格安で使うことで黒字を確保しているなんて、うらやましい限りだ」

5月に発表された日本貨物鉄道(JR貨物)の決算について、JR旅客のある社員は皮肉たっぷりに話す。

2021年3月期の決算はJR各社で対照的な結果となった。コロナ禍で新幹線など中長距離の利用が急減し、本州3社(東日本、東海、西日本)はそれぞれ数千億円単位の最終赤字を計上した。

一方、JR貨物は減収ながら宅配便などの輸送が伸び、前期比98.6%減の大幅減益ながら6900万円の最終黒字をかろうじて確保した。

物流の鉄道シフト背景に上場目指す

次ページ大きな「壁」
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内