ホンダが「脱エンジン」に舵を切った真意 三部敏宏社長が明かす決断の背景

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電動化対応の加速を迫られる自動車業界。「脱エンジン」を決めた背景にはどんな危機感があったのか。三部新社長を直撃した。

エンジンでどこまでやれるのか。本田技術研究所内では以前から議論していたと打ち明けた三部社長(撮影:今井康一)

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日本の自動車メーカーとして初めて「脱エンジン」を打ち出したホンダ。100年に一度といわれる大変革期にどう生き残りを図るのか。
2021年4月に公表し、業界を驚かせた大胆な電動化目標について、三部敏宏新社長は「ギリギリ最低限のライン」と述べた。電動化戦略から提携の考え方、サプライヤーとの関係まですべてを語った。

――この4月の社長就任会見で発表した「2040年に世界で売る新車をすべて電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)にする」という目標は大きな注目を集めました。どのような経緯で決めたのですか。

まず、私が社長になって会見をするためにつくったものではない。カーボンニュートラル(CN)という動きの中で、この数年、ホンダとしてどう取り組むのかを考えてきた。日本は政策的にも自動車産業界的にも少し出遅れ感があったので、CNの対応でもっと発信し、動いていくべきだという視点から、今回の目標設定に至った。

もう1つは、社内も変えないといけないという点だ。組織は連続的に動いているので、変われと言っても時間がかかる。時間が限られた中で、社内へ明確に方針を打ち出す狙いもあった。新たな電動化の方向性は昨年から決まっており、新型コロナウイルス感染の状況が改善しなかったのでタイミングを見ていた。

――「エンジンのホンダ」ともいわれる中、社内での反発はなかったのでしょうか。

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