2018年2月、文在寅大統領主催のレセプションに出席し、撮影に応じる安倍晋三首相(左、当時)と文大統領(中央、写真:時事)

東京五輪が開幕する前、韓国では競技への関心以上に、文在寅大統領が訪日し、菅義偉首相と首脳会談を行うかどうかに関心が高まっていた。だが、韓国大統領府は7月19日、訪日しないことを決定した。

文大統領は五輪に合わせた訪日・首脳会談について、年初から並々ならぬ意欲を見せてきた。しかし、日本側の反応はとても冷淡だった。

この両国間の温度差は何だったのか。また、「日韓関係は最悪」と言われるほどの状態で、文大統領はなぜそれほどまで訪日しようとしていたのだろうか。

関係改善を望んだが・・・

2018年に韓国で開催された平昌冬季五輪には当時の安倍晋三首相が訪韓し、文大統領と会談している。であれば、東京五輪には韓国大統領が訪れ、首脳会談をするのは当然だろうという意識が韓国側にあった。

また、最悪の日韓関係の原因とも言える、元徴用工・慰安婦問題についてトップ同士で関係改善に向けた話し合いをするべきだという考えもあった。

韓国政府は2019年に日本側が行った輸出管理措置強化の撤廃も望んでいた。世界的に半導体が不足する中、サプライチェーンの構築・強化という経済的利益を考えれば、日本はいつまでも韓国に対して半導体材料の輸出管理措置を強化したままではいられないと韓国側は考えたのだ。