昨年末に税制改正大綱を決定した与党税調。資産課税にもメスが入った(時事)

税の関係者の間に衝撃が走った。自民・公明両党が昨年12月に発表した「令和3年度税制改正大綱」に次の文が載ったのだ。

「相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直す

これは「資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討」という題目の下、書かれた一文だ。なぜこれが衝撃か。それは贈与税の実質廃止を目指すと読めるからである。公明党の西田実仁・税制調査会長は、「6年前から言い続けてきた。『格差固定化の防止』はわれわれがずっと訴えてきた主張だ」と力を込める。

富が一部の人に集中しすぎないよう、再分配の機能を果たしてきた相続税。創設は1905年と古い。その後、相続税を逃れようと生前贈与をする人が増えたため、47年に贈与税が創設された。

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税があり、どちらか一方しか選択できない。暦年課税は、1年ごとの贈与額に対して課税するものだが、年110万円までなら非課税となる。そのため、毎年コツコツと長期にわたり、生前贈与をして節税する人は多い。

一方、相続時精算課税は、贈与したときは2500万円まで非課税だが、相続したときに贈与時の非課税分も含めて精算し、相続財産として課税する。価格が上昇傾向にある財産なら、贈与したときの低い評価額への課税で済むというメリットがある。