スーパーホテル、名ばかり「支配人」の悲惨 「安さ」の裏にある過酷な労働実態

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柔軟な働き方の代表例である個人請負。無権利状態であるがゆえに予期せぬ事態に追い込まれる人たちがいる。

上野駅近くにあるスーパーホテルJR上野入谷口店。同じ通りには、外国人観光客向けにいくつものビジネスホテルが立ち並ぶ(記者撮影)

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1泊5000円前後、無料の朝食と温泉付き――。

そう聞けば、ピンとくるビジネスパーソンもいるだろう。全国に166店舗を展開するビジネスホテルチェーン「スーパーホテル」(本社:大阪市西区)だ。客にとってはリーズナブルなこのホテル。しかし、そこで働く店舗責任者の支配人のほとんどは、どれだけ長時間働いても残業代はいっさいもらえない。

2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大がいよいよ深刻になってきた頃だ。1年前なら外国人観光客であふれていた上野駅近くのビジネスホテル街は、閑散としていた。「スーパーホテルJR上野入谷口店」で住み込みで働く副支配人の渡邉亜佐美さんは、5人の男性たちに囲まれていた。

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