高尾社長はホンダの新方針について「少し衝撃的だった」と述べた(写真:ジーテクト)
カーボンニュートラルの達成に向けて、急激に電動化対応が進む自動車業界。ホンダは今年4月、「2040年に世界の新車販売に占める電気自動車(EV)・燃料電池車(FCV)の比率100%」にするという大胆な方針を打ち出した。
自動車メーカーが変革に動けば、当然、サプライチェーンを構築する自動車部品メーカー(サプライヤー)も対応を問われる。ホンダ系列のサプライヤーの中で、電動化対応へ積極的な事業を展開しているのが、車体プレス部品を製造するジーテクトだ。
経営環境が劇的に変わろうとする中、サプライヤーとしてどのように生き残りを図るのか。高尾直宏社長に課題と今後の戦略を聞いた。

 

――2021年5月に打ち出した新経営戦略では「EV関連事業」の強化を鮮明にしています。

EV関連では、プラットフォーム(車台)を開発し、バッテリーケースやボディ部品を合わせて一体的に提案する。EV用やハイブリッド車(HV)向け電動パワートレイン関連事業の立ち上げにも新たに着手する。

いずれもEVが世界で普及していくだろうと予想して準備をしてきた。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)施策も盛り込んだ。受注から設計、生産までを1つの流れとしてデータ化し、後世に引き継げるサステナブルな体制を構築したい。

これらは10年、20年先を見据えた取り組みを進化させるためのもので、新たに始めたという感覚はない。

――同時に発表した中国・広州市における第3工場建設の狙いは?

ここではEV向けの車体部品を生産する(2023年4月稼働予定)。中国ではEV市場が急拡大しており、車体部品のさらなる需要増に対応できるよう体制を強化したい。

――EV事業への注力はホンダ以外への提案力を高める狙いがあるのですか?

ホンダ系サプライヤーという位置づけは事実だが、ジーテクトは他のメーカーへの販売もあるのが強みだ(2021年3月期の売上高でホンダ以外の比率4割弱)。そうした面でも、今回のEV関連事業で次のビジネスを開拓していくことを考えている。