北大路康信(きたおおじ・やすのぶ)/1972年東京大学農学部卒業、ニチメン(現・双日)入社。同社木材部部長を経て1998年にポラテックに入社。2014年から現職(記者撮影)
木材の仕入から加工まで手がけるプレカット(加工材)業界最大手のポラテックは、4月から実施していた受注の量的制限を6月21日に解除した。
一方で、プレカット材の取引価格は上昇を続けている。5月に最高値をつけたアメリカの木材市場は足元で下落傾向にあるものの、高値圏での取引が続いているうえ、最高値で決済した木材がこれから日本に入ってくるためだ。
ポラテックと納入先との間での7月の取引価格は1月比で、梁に使う木材で1立方メートル当たり300%、柱に使う木材で1本当たり205%上昇している。
今後、住宅用木材の価格が高騰するウッドショックはどこに向かうのか。木材業界で50年にわたって仕事を続ける、同社の北大路康信専務に聞いた。

「ウッドショック」という言葉は使わない

――ポラテックは6月21日、新規受注の量的制限を解除しました。

3月に発生したスエズ運河の座礁事故などの影響で、5~6月にかけてコンテナの到着が遅れて(プレカット材の)生産制限をしなければならない時期があった。これが解消され、制限も不要になった。

そもそもわれわれは「ウッドショック」という言葉を使いたくない。ヨーロッパではいま何も(木材供給の)制限をしておらず、サプライヤーはずっと使ってくれるところ、長く付き合っているところには(木材を)出していこうというスタンスだ。

われわれはコンスタントに国内外のサプライヤーから毎月7.5万立方メートル(一般的な34坪の木造戸建てで約3200棟分)を買い付けている。安くなると買って、高くなると逃げていくような業者にとってはウッドショックなのだと思う。

アメリカやカナダのサプライヤーは、ポラテックという「会社」と取引をする感覚なのに対して、ヨーロッパでは会社よりも「ミスター北大路」と取引する、と。それ(人同士の付き合い)を大事にする文化がある。だから、どこの誰に言えば木材が出てくるか(自分は)すべてわかっている。