「住宅の心を持ったゼネコンという方向に向いている」と話す大和ハウス工業の芳井敬一社長(撮影:今井康一)
売上高4兆円の巨大企業、大和ハウス工業。3000億円超の営業利益のうち、6割以上を物流施設やデータセンターなどの事業施設と商業施設セグメントで稼ぎ出す。ハウスメーカーを標榜しつつも、その枠を飛び越え、スーパーゼネコンの様相を呈している。
創業100年を迎える2055年の売上高10兆円を掲げ、貪欲に事業分野を拡大。6月には大成建設の元副会長、村田誉之氏を副社長として招聘した。
10兆円企業を目指し、大胆なM&Aはあるのか。また、スーパーゼネコンと競合していくのか。大和ハウス工業の芳井敬一社長に聞いた。

物流施設への投資規模を上方修正

――2021年3月期の売上高は4兆1267億円。大和ハウスでは、創業者・石橋信夫氏の遺言である「創業100年を迎える2055年に売上高10兆円」を長期目標に掲げています。今後どの分野で成長を目指しますか?

いま(売上高は)4兆円だから、あと6兆円を何か足し算をして10兆円になると考えると、どこかの会社を買収すればそうなるかもしれない。でも、そうじゃない。

世の中のためにどう役に立っていくか。世の中が必要としているものは何かということが、私たちの大きな経営テーマとしてある。

大和ハウスはずっと「住まいの総合産業」という切り口でやってきて、いまは「生きる」をテーマに掲げている。帰る場所ではなく、生きていく場所に住宅を変えようと。そこから少しずつ輪を広げていく。その1つが物流分野であり、eコマース分野だ。eコマースのためにはデータセンターが必要になる。事業を徐々に広げていっている。