2017年、台湾台北市内の大学で開催予定だった中国の歌手によるコンサートに現地の学生が「統一工作だ」と抗議。急きょ中止された(ロイター/アフロ)

7月1日、中国共産党創立100年を迎えた習近平国家主席は台湾統一について「歴史的任務」だと強調し、「祖国統一の大業」を諦めず、執着する姿勢を再度示した。

中国共産党には日米欧列強による侵略による「屈辱の100年」を経て自ら中国を世界的な大国に復帰させた自負がある。結党された1921年時点で台湾は日本の植民地だった。そして第2次大戦後の国共内戦に敗れた中国国民党が台湾へ逃げ込み、冷戦構造の中で米国が同党を支援したため、中台「分断」が固定化。台湾未統一の現状は中国の「屈辱」が継続している象徴だ。

中国は建国100周年を迎える2049年までにこの屈辱を克服しようとしているが、その実現は極めて困難といえる。最大の要因は台湾社会の構造変化にある。圧倒的多数の台湾住民がもはや中国との統一を望んでおらず、中国人意識も薄れているのだ。

台湾の國立政治大学選挙研究センターが毎年実施している台湾の人々のアイデンティティーと統一・独立に対する意識調査によると20年時点で自らを「台湾人」と答えた人が64.3%、「台湾人・中国人両方」が29.9%に対して、「中国人」はわずか2.6%にすぎない。