2021年が進むにつれ、「コロナ禍前の常態」が徐々に戻ってきた。だが、世界経済はその心臓部にある問題を抱えている。中国の対外姿勢が一段とネガティブになってきていることだ。

01年に「BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国)」の分類をつくり出した者として、筆者は中国の台頭を注視し続けてきた。中国の経済的な潜在力に目を開かされたのは1990年、初めて北京を訪れたときのことだ。この国は表向き「共産主義国」とされているが、いずれは世界経済の牽引役となるのではないか──。

そうした思いは90年代を通じて頭を離れなかった。80年代以降、どんどん米国の消費頼みとなっていく世界経済にエコノミストたちは不安を募らせてきた。米国はドイツと日本に内需拡大を強く求めるようになっており、誰もが世界経済のもう1つのエンジンを探し求めていた。中国が97年のアジア通貨危機を比較的うまく乗り切ったのを見て筆者は、その答えは中国だと考えるようになった。