最高指導者として思うように国政を行えない──。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党総書記の悩みは深そうだ。今年に入り、党大会や中央委員会総会、最高人民会議といった主要会議を開き、集まった政治エリートたちの前で「自立更生」「百折不屈」「刻苦奮闘」と計画や指示の貫徹にハッパをかけ続けてきた。しかし、満足できる成果が見えてこない。

6月29日、党の中央最高領導機関である政治局の拡大会議が開かれた。この場で金総書記は「国家と人民の安全に大きな危機をもたらす重大事件が起きた」と異例の発表を行った。

その具体的な中身までは発表されなかったが、党序列5位内・軍序列1位の李炳哲(リビョンチョル)・党中央委員会政治局常務委員会委員と、軍序列2位で元帥の朴正天(パクジョンチョン)・党中央委員会政治局委員が更迭、あるいは降格させられたとの見方が有力だ。