6月に開催された平和不動産の株主総会で、海外ファンド提出の株主提案が注目された

東京証券取引所ビルや大阪証券取引所ビルを保有する平和不動産の株主総会が6月に開催され、海外ファンドが提出した株主提案が注目を集めた。東証や大阪取引所を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)からの役員受け入れ(天下り)禁止や政策保有株の売却などを定款に記載するよう求めたのだ。

株主提案はいずれも否決されたものの、天下り禁止と政策保有株売却の提案賛成率はそれぞれ19.5%、19.3%と一定の支持を集め、総会後も課題としてついて回りそうだ。

株主提案を行ったのは、香港の投資会社「リム・アドバイザーズ」。リムによると、「証券の街」と称される日本橋・兜町かいわいのオフィス賃料相場は坪2万3500円(月額、2021年3月時点)なのに対し、東証ビルの直近の賃料は坪1万6650円。リムは「割安だ。テナントである東証からの『天下り』が低賃料の背景にある」と指摘している。

平和不の歴代社長は旧東証出身者で占められ、6月の株主総会で承認された現取締役9人(全員再任)のうち、土本清幸社長を含む3人が東証OBだった。前社長の岩熊博之氏(20年2月に死去)に至っては、東証時代にテナントとして平和不との賃料交渉を担当していた。平和不の役員は古巣に対し、賃料改定に当たって強気に出られないというのがリムの理屈だ。