ソニーの歴史を顧みれば、歴代社長は強烈な個性の持ち主ばかりだ。「自由闊達にして愉快なる理想工場」を掲げた創業者の井深大、盛田昭夫両氏。音楽やゲームなど、エンタメ事業の拡大で功績を残した「中興の祖」大賀典雄氏、IT時代への対応を打ち出した出井伸之氏など、その歴史は名物経営者に彩られている。

彼らに比べると、現社長の吉田憲一郎氏はいささか地味にも映る。周囲からの印象は「まじめで正直。人の話をよく聞く」(元社外取締役)といったものが多い。「とにかく勉強熱心。疑問に思ったことをとことん突き詰めるし、その思考も深い」。吉田氏と交流のある経営学者はこのように評する。