電機業界の勝ち組とされるソニーだが、つい数年前までは7期中6期が最終赤字。栄華が永久に続くことはない。死角は何か。3つのリスクを検証する。

1. ブランドを保てるか

ソニーは祖業であるエレキ製品に関して、「ブランデッドハードウェア」という概念を打ち出している。その心は、シェアや規模を追求せず、採算を重視して高価格戦略を取るという点にある。

東京都内の家電量販店。最新の48インチ有機ELテレビが並んでいる。ソニーの「ブラビア」の価格は24万円強。同じ国内勢のパナソニックやシャープの製品より1~3割ほど高い。スマートフォンでも最上位機種「Xperia 1 マーク3」は15万~18万円台とかなり高額で、米アップルの最上位機種「iPhone 12 Pro」の12万円前後を上回る。

スマホ「Xperia」は超高性能でコアなファンの心をつかむ

いずれもソニーの技術を結集した最高品質を訴求し、購買力のあるソニーファンに支持されている。とくにスマホでは、認知度が低く採算の取れない地域からの撤退も果敢に行い黒字化した。結果、近年のエレキ事業は安定的に利益貢献している。

ただ、この戦略にも影が忍び寄りつつある。高額なソニー製品を現在買い支えているのは、子どもの頃からソニーのテレビやオーディオ製品に親しみ、「エレキのソニー」をよく知る人たちだ。そうした人たちが社会に出て購買力を持ち、「高いなりの価値がある」と感じて買い支えている。