かつもと・とおる 1957年生まれ。東京工業大学大学院修了後、82年ソニー入社。ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ社長、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ社長、R&D・メディカル事業担当専務を経て2020年6月から副社長。同年12月からCTO兼務。(写真:ソニーグループ)

かつてソニーの技術は、主にエレキ事業の製品開発のために活用されていた。それが今は、ソニーが擁する6つの事業を結び付ける役割を果たしている。その現状を、技術部門で陣頭指揮を執る勝本徹副社長兼CTO(最高技術責任者)に聞いた。

──異なる事業間での連携が進んでいます。

10年ほど前のソニーは、エレキと半導体がポートフォリオ上の主役だった。したがって技術もそれらを起点に組み立てていた。それもあくまで単品売りの製品のためのもので、「きれいな画像」とか、「いい音にしよう」といった機能や性能の追究が中心だった。その頃も「エレキとエンタメのシナジー」とか「ハードとソフトの融合」とは言われていたが、エレキを中心に据えていた。

ところがここ3〜4年は、(ともにエンタメ事業の)音楽と映画で新しいシナジーが出始めている。エレキとエンタメを組み合わせる場合でも、エンタメを主体として、そこにエレキの技術を応用する例が出てきた。

金融は一見シナジーが希薄に思えるかもしれないが、データ管理やデータセキュリティーにはブロックチェーンの技術を応用することができ、ソニーが持つテクノロジーとの親和性は高い。

あらゆる事業体がアメーバのように一緒に働き、お互いにしっかり議論をしながら、ソニーの持てる技術を応用していく体制が整った。ほかの会社ではなかなかこういうことはできない。

──エンタメにエレキの技術を応用した例とは?