ライザップ、険しい再建への道 経営のスリム化は進んだが

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瀬戸社長は銀行との信頼回復に手応えを示すが、人材面では不安が残る。

瀬戸健社長は「今は収益を上げる体制をしっかりとつくる」と気を引き締める。写真は2019年6月撮影(撮影:尾形文繁)

「経営トップとして『いつまでにどういう会社を売却します』と約束し、それを月単位で守ったことが信頼回復につながった」。5月に東洋経済の取材に応じた瀬戸健社長は、心なしか安堵の表情を浮かべたように見えた。

数多くの不振企業を買収した結果、経営が傾いたRIZAPグループ(ライザップ)。2019年3月期から2期連続で最終赤字に陥った。メインバンクのみずほ銀行などは融資姿勢を厳格化し、買収過程で膨らんだ借入金の返済を進めさせるため、不振事業や赤字子会社の整理を迫ってきた。

瀬戸社長が銀行からの信頼回復に手応えを感じたというのが、20年8月に行った融資枠契約の更新だ。みずほ、りそな、三菱UFJの3行と19年5月に結んだ同契約の更新交渉に自ら臨み、子会社の売却計画などを明確に示した。

一時は銀行借り入れの返済を一気に求められる最悪の事態まで覚悟していたが、直談判が功を奏し、総額64億円で融資枠契約を更新。その後は未上場子会社3社を売却し、瀬戸社長は銀行との約束において“結果にコミット”した。

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