原子力発電への批判に「トイレなきマンション」がある。放射性廃棄物の処理方法を決めないまま原発を利用する問題点をわかりやすく示している。一般的に、善後策を講じずに進められる無責任な行為にも使われる表現だ。

差し迫った事態に、見切り発車で対処しなければならない状況はある。しかし、とくに国の政策の場合、どこかできちんとした出口戦略を考える必要がある。

念頭にあるのは原発ではない(それも問題ではあるが)。日本銀行による金融政策、中でも上場投資信託(ETF)の購入についてである。2010年に金融緩和政策の1つとして始まった日銀のETF購入は、簿価で35兆円、時価で51兆円を超えるまで積み上がっている(21年3月末時点)。今や日銀は日本最大の株主だ。