バイデン政権の下、経済面での対中戦略が米国内で着々と進んでいる(Pete Marovich / The New York Times)

米国経済は新型コロナウイルスの混乱から急速に回復しつつある。だが、インフレや労働市場、投資などは予測不可能な形で変化している。こうした要因の1つとして、中国との経済競争に関する米国の政策も挙げられる。現在、ワシントンで行われている経済改革の議論で興味深いのは、国際協調の外向き派と国内重視の内向き派、両方の政治的見解が同時進行していることだ。その進め方や同盟国との調整方法については、不透明感が高まっている。

足元では2つの重要な経済政策が具体化しつつある。バイデン政権は6月8日、米国のサプライチェーン(供給網)を見直す報告書を発表した。また米上院も同日、米国の先端技術の競争力向上を目指す「米国イノベーション・競争法案」を可決した。この2つの動きは、半導体や通信、バイオテクノロジーといった分野で、国内の研究、教育、製造に多額の資金を提供することを約束するもので、比較的幅広い超党派の支持を得ている。だが、サプライチェーンの多様化と競争力の強化という2つの取り組みには、外向き派、内向き派という異なる政治的背景がある。