2021年1月、ミン・アウン・フライン国軍司令官(中央右)と会談する渡邉秀央会長(中央左)(写真:ミン・アウン・フライン国軍司令官のホームページ)

軍事クーデターが起きたミャンマーで、1月中旬にミン・アウン・フライン国軍司令官やアウン・サン・スーチー国家顧問と面会した後、クーデターが勃発した2月1日をはさんで現地に滞在した人物がいる。

ミャンマービジネスに関わる日本企業約130社でつくる、日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長(86)だ。

渡邉氏は、中曽根内閣で内閣官房副長官、宮澤内閣で郵政相を歴任し、衆議院議員は6期、参議院議員2期を務めた。ミャンマーについては、30年以上にわたって同国政府や国軍と緊密な関係を築いてきた稀有な人物だ。

軍事クーデターが勃発し、多数の市民が殺害されているミャンマーの現状を、渡邉氏はどう思っているのか。在日ミャンマー人の間では、渡邉氏や日本ミャンマー協会に対し、ミャンマーの現状についての公式見解を明らかにするよう求める声が強まっているが、渡邉氏や協会はこれまで沈黙を貫いている。東洋経済の取材要請にも応じていない。

波紋を呼んだ「寄稿文」

そうしたさなかの5月、外交専門メディア「The Diplomat」に、渡邉会長の子息で日本ミャンマー協会事務総長を務める渡邉祐介氏による寄稿文が掲載され、関係者に波紋を広げている。

寄稿文には国軍のクーデターを擁護していると解釈されうる内容が含まれており、日本の対ミャンマー外交について、経済制裁を強める欧米とは一線を画すべきだと明確に指摘しているためだ。