コロナ直撃、「結婚式企業」の脆弱すぎる事業構造 優先株発行に事業再生ADR入り、苦境各社の生存策

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
拡大
縮小

密の回避、婚姻組数の激減などがウェディング企業に大打撃を与えている。業界各社はどう生き残るのか。

海外ウェディングの名門・ワタベウェディングの事業再生ADR入りは業界に衝撃を与えた。写真は福岡店(写真は2019年、編集部撮影)

特集「結婚式企業サバイバル」の他の記事を読む

「ワタベさんは本当に大変ですよね」――。

新型コロナが直撃したウェディング業界。その関係者でさえ同情するのが、海外ウェディングのパイオニア的存在、ワタベウェディングだ。

1953年に京都で貸衣装店として創業、海外挙式が一般的ではなかった1970年代にハワイへ進出した。以来、グアムやバリ、オーストラリア、さらには北米やヨーロッパなどグローバルに拠点を展開。国内ではホテル雅叙園東京とメルパルクの運営を手掛けている。

新型コロナの感染拡大による渡航制限で海外挙式ができなくなり、国内のホテルも訪日客需要が消滅。2020年12月期には117億円の巨額純損失を計上し、債務超過に陥った。今後は興和(本社・名古屋市)の支援を受け、事業再生ADR(会社更生法や民事再生法などの法的手続によらない債務整理)手続きによる再建を目指す。

興和は複数の事業を展開し、健康・医療分野では大衆薬のキャベジンコーワ、キューピーコーワゴールドなどが有名だ。名古屋の名門、ナゴヤキャッスルなどのホテルも持つ。ワタベウェディングは同社の完全子会社となり、6月28日に上場廃止となる。

次ページコロナ前の3割
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内