なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

2021年の1〜3月期決算が出そろった。日経平均株価構成銘柄の経常利益は前年同期比4.8倍、巨額利益を計上したソフトバンクグループおよび金融セクターを除くベースでの増益率も2.3倍であり、安定した収益動向にあることが確認されたばかりだ。

しかし、コロナ禍を乗り切ったのもつかの間、すでに、息つく局面にはない。

先日、ホンダが燃料電池車(FCV)の生産を年内に停止すると発表した。これまでにかかったFCVの研究費用等を考えると、大きなサンクコストであり、日本車の競争力の地盤沈下につながりかねない。開発した技術がムダになることはないにせよ、競合激化の中では痛手であろう。

しかも、これは一例にすぎない。日本の当局は気候変動への対応は急務だと言いながら具体的なロードマップを示さないため、企業は乗り遅れでコスト負担が生じ国際競争力をそがれている。海外では気候変動リスクは各セクターにおけるゲームチェンジャーで、展開は急である。