いち早く経済再開に乗り出した米国。脱自粛、脱リモートワークをめぐり、新たな混乱が生じている(Katherine Taylor/The New York Times)

「コロナ後不安症」「社会不安症候群」「再入場不安」「広場恐怖症」──。これらは今、米国の精神科医や心理学者らが頻繁に口にする用語だ。いずれも、コロナ禍中の自粛生活を終えて世の中へ出ていくことに対して、人々が抱える不穏な心の状態を指している。

実際、米国心理学会(APA)の調査によると、ワクチンを受けたかどうかにかかわらず、米国人の約半分は、コロナ後に面と向かって他人と会うことに不安を感じているという。

米レンセラー工科大学で教える神経科学者のアリシア・ワルフ氏は、「社会的孤立は、ストレスホルモンのレベルを上昇させ、ネガティブな影響を長期的に身体に与えた」とし、「脳が元の状態に戻るには長い時間がかかる」と説明している。コロナの体験を、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に例えて、その影響は長引き、そこから逃れるのに時間を要すると語る心理学者もいる。