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軍事的圧力とイメージ戦略との矛盾 台湾侵攻の能力を誇示し独立を牽制する動画を公開

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中国は軍備増強に余念がないが、対外的なイメージアップにも強い関心を持っている。

人民解放軍は上陸部隊も増強している。2015年の北京の軍事パレードで行進する05式水陸両用戦車(新華社/アフロ)

5月31日、中国人民解放軍海軍が中国版SNS「微博」の公式アカウントを用いて、中国海軍陸戦隊(海兵隊)所属の水陸両用戦車が広東省西部において、離島のように見える目標を砲撃する動画を公開した。

動画に映っているのは、05式水陸両用戦車だと思われる。105ミリライフル戦車砲を搭載し、2キロメートルの距離から厚さ1メートル以上の鉄筋コンクリートを破壊する能力を有している。防御されていない、露出した軍事目標であれば、4キロメートルの距離から制圧できるとされる。

動画では、数両が水上を航行しながら射撃を行ったり、陸上から射撃を行ったりしている。水陸両用戦車は上陸部隊とともに行動してこそ意味があるので、この映像はデモンストレーションのための訓練だろう。

この動画は、目標の形状などから、軍事力による尖閣諸島奪取を模擬したもので、中国が日本を威嚇するために製作したのではないかとの印象を与える。しかし、現状の尖閣諸島に対し、水陸両用戦車の使用は想定しにくい。尖閣諸島は無人島であり、防御する敵兵がいないからだ。

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