狙いは経済安全保障なのか。それともきな臭い政局か。自民党内で相次ぐ議員連盟設立の動きに耳目が集まっている。

導火線に火をつけたのは、5月21日の半導体戦略推進議員連盟の発足だった。半導体は情報通信機器や最新鋭戦闘機にも使われる経済安保の要。中国に頼らないサプライチェーンを構築するよう米国からも要請が来ていたとされ、党内に議連ができること自体は不自然ではない。

だが、そこに並んだ顔ぶれがきな臭い臆測を招くことになった。最高顧問には安倍晋三前首相と麻生太郎副総理・財務相が就任し、会長には甘利明税制調査会長が就いた。この3人は菅義偉官房長官(当時)と合わせて安倍政権時代に「3A+S」と呼称された政権中枢メンバー。

会場にメディアがいることを承知で、麻生氏はわざわざ「A(安倍)、A(麻生)、A(甘利)。3人そろえば、何となく政局という顔」とうそぶき、笑いを誘った。

念頭にあるのが同議連に招かれていない二階俊博幹事長だ。党の最重要職である幹事長ポストに居座り続ける二階氏には、他派閥から不満の声が高まっている。