不買運動に直面するキリンホールディングスのミャンマー合弁企業(写真:キリンホールディングス)

「アジア最後のフロンティア」から一変したミャンマー。2月1日の軍事クーデターから4カ月以上が経過する中、日本企業が苦境に立たされている。国際社会は軍事クーデターと市民への虐殺を非難し、経済制裁を実施。政府による人権侵害は、企業経営へのリスクとして深刻な影響を与えている。

即席麺大手のエースコックは6月4日、フェイスブックを通じ、ミャンマーでの事業活動を一時停止すると表明。原材料の調達難により、最大都市ヤンゴン郊外のティラワにある現地工場での操業ができないことをその理由に挙げた。

窮地に立つ企業は同社だけではない。ミャンマーでの自動車販売でシェア首位のスズキは、工場増設計画が宙に浮いている。9月に稼働が予定されていた新工場は、年間4万台の生産能力を持つ。これは既存の2工場での合計生産台数の倍以上にもなる。しかし、既存の工場はクーデター後に一度稼働を再開したものの、再び停止に追い込まれた。増設工事も進んでおらず、日本人社員も多くが一時帰国した。

キリンホールディングスは、国軍系企業との合弁事業を展開していることを理由に、クーデター直後から市民の不買運動に直面。「ヤンゴンでは商店の棚から、(キリンが展開する主力ブランドである)ミャンマー・ビールが消えた」(ヤンゴン在住の日本人)。

キリンによれば、国軍による市民への武力弾圧が強まった3月8日から19日にかけて工場の操業を停止。クーデター前の1月から3月末までの3カ月の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響と相まって、前年同期比5割超も減少した。「現在も不買運動が続いていることは事実として認識している」(広報担当者)という。

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