TSMCの半導体工場。クリーンルーム内には高額な製造装置が並ぶ(写真:TSMC)

「失われた30年の反省と足元の地政学的変化を踏まえ大きく政策転換を図る。半導体は今後のグリーンデジタル、自動車への応用を含めて重要になってくる。研究開発と国内製造基盤を強化していかないといけない」

経済産業省は6月4日、「半導体・デジタル産業戦略」を発表した。目玉となる半導体産業の強化について、梶山弘志経産相は国を挙げて取り組む姿勢を示した。同戦略では、「産業政策の新機軸」をうたい文句に、大規模な財政支出にも意欲を示す。

呼応するかのように、その直前、自民党は5月21日に「半導体戦略推進議員連盟」を立ち上げた。会長に甘利明・党税制調査会長、最高顧問に安倍晋三前首相と麻生太郎財務相が並ぶ布陣で、政府による「前例のない異次元の支援」を求める決議を行った。

5月18日には電機産業の業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)も半導体産業への政府支援を求める提言を発表。「国家安全保障の観点から主要国・地域が進める半導体産業の維持、強化に日本が出遅れることのないよう、それら主要国・地域の補助金に比肩する支援をお願いしたい」とぶち上げる。

政官民一体での半導体産業への支援を求める大合唱が起きている。だが、国家戦略として、半導体に巨額の資金を投じようとしているのは日本だけではない。