(【IWJ】Image Works Japan / PIXTA)

買収を予測

絶対収益を目指すヘッジファンドの戦略の中には、個人投資家も取り入れられる「イベントドリブン」という手法がある。イベントの前後で売買をして利益を得る方法だ。代表例が「買収合併アービトラージ(サヤ取り)」。最も一般的なのが、TOB(株式公開買い付け)が予想される企業について、「TOB価格はいくらか」を想像して動く取引だ。

TOBでは、市場価格に30%程度の額(=買収プレミアム)を上乗せした価格が提示されることが多い。買収プレミアムがどの程度つくか想像するわけだが、個人は次のように動くとよいだろう。

まず、TOBの発表前には観測報道が流れることが多い。観測が流れたとき買収総額も伝わっていれば、1株当たり価格を計算し、市場価格がそれより安いなら買う。そして発表を待ち、決定されたTOB価格が事前の買い単価を上回っていれば勝ち、下回っていれば負け──これが、買収合併アービトラージである。

具体的に直近の大型TOBで見てみよう。下図に株価を示した日立金属。今年4月下旬、親会社である日立製作所は、米投資ファンドのベインキャピタルや日本産業パートナーズなどのファンド連合に日立金属を売却すると発表した。多くの投資家が事前から着目してきたイベントドリブンだ。