ふじわら・まさたか 1958年生まれ。京都大学工学部卒業。82年大阪ガス入社。執行役員エネルギー事業部エネルギー開発部長、大阪ガスケミカル社長、大阪ガス副社長などを経て、2021年1月から現職。
2020年10月、政府は「2050年カーボンニュートラル」(二酸化炭素〈CO2〉排出実質ゼロ)を打ち出した。原料の天然ガスが燃焼時にCO2排出量の少ない化石燃料であることから、都市ガス業界は低炭素社会への移行において有利なポジションにあった。その先の脱炭素化への道筋を描けるのか。大阪ガスの藤原正隆社長に聞いた。

革新的技術を用いたエネルギー変換効率

大阪ガスの革新的メタネーション技術によるエネルギー変換効率。今回、技術の核となる新型電気分解セルの試作に成功した。

──カーボンニュートラルの方針発表に続き、菅義偉首相は今年4月、脱炭素化への道筋を確実なものにするために、30年度の温室効果ガスの排出量を13年度比で46%削減すると表明しました。目標数値は従来の26%削減から倍近くに引き上げられ、脱炭素化への流れが加速しています。

これまで天然ガスの普及に取り組んできた私ども都市ガス業界は、低炭素化をリードする化石燃料産業の優等生だった。ところが、気候変動対策として、CO2そのものを出さない脱炭素化が求められるようになっている。

そうはいうものの、CO2ゼロの再生可能エネルギーが主力になるまでには相当の時間がかかる。一方で、アジアやアフリカなどの新興国を中心に、エネルギー需要はまだまだ伸びていく。その過程では、エネルギーの需要増に応えていきつつ、低炭素化を進めていくことが現実的だ。そのうえでも天然ガスの役割は大きい。