2018年にノーベル賞を受けたローマー氏。反GAFAへ独自の税制を説く(Caroline Tompkins/The New York Times)

ポール・ローマーはかつてシリコンバレーの人々にとりわけ人気の高い経済学者だった。アイデアこそ現代経済を加速させる燃料──。ノーベル経済学賞受賞にもつながった彼の理論に、富を創出するアイデアの世界的中心地、シリコンバレーの人々は深く共感した。

雑誌『WIRED(ワイアード)』は1990年代にローマーを「テクノロジー時代の経済学者」と呼んだ。ウォールストリート・ジャーナルはテック業界がローマーを「ロックスターのように」もてはやしていると伝えた。

だが、状況は一変した。65歳になったローマーは、巨大テック企業に強烈な批判を浴びせるようになっている。巨大テック企業が新しいアイデアの循環を阻害しているとし、フェイスブックやグーグルなどのデジタル広告収入に新たな州税を課すよう主張する。