エーザイが「認知症薬」で突破した最終関門 紆余曲折を経てアメリカ当局が承認

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
拡大
縮小

アメリカの食品医薬局がアルツハイマー型認知症治療薬を承認した。そのインパクトは計り知れない。

多くの関係者の注目を集める中、アメリカのFDA(食品医薬局)がアルツハイマー病治療薬の承認を下した(編集部撮影)

特集「エーザイ「認知症」との闘い」の他の記事を読む

一度は”死んだ”薬が日の目を見た。

アメリカの規制当局であるFDA(食品医薬品局)は6月7日、製薬大手・エーザイとアメリカのバイオジェン社が共同開発していたアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の製造販売について承認した。

世界で初めて、アルツハイマー病の原因に直接働く治療薬が誕生したことになる。エーザイの内藤晴夫CEOは「アルツハイマー病治療の歴史に新たな1ページを開くことができたことを大変嬉しく思う」とコメントした。

国内におよそ500万人いる認知症患者のうち、アルツハイマー病はその約7割を占めている。世界には5000万人の患者がいるとされ、今後も増え続ける。アルツハイマー病の患者とその家族にとって朗報なのはもちろん、エーザイにとって、巨大市場で新薬の開発に成功した経営上のインパクトは計り知れない。

バイオジェンの株価は7日に約40%も上昇し、8日は日本でエーザイの株に買い注文が殺到した。

異例の紆余曲折

次ページ申請後も異例続き
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内