4月20日、上海のファーウェイ専売店で「セレスSF5 ファーウェイ・スマート・セレクション」を発表するコンシューマー事業トップの余承東氏(ファーウェイのウェブサイトより)
中国の巨大IT企業の華為技術(ファーウェイ)が「大変身」しようとしている。
アメリカ政府の制裁により、同社の稼ぎ頭だったスマートフォンが深刻な打撃を受けるなか、自動車、クラウド、再生可能エネルギーなど新分野のビジネスを急拡大させようとしているのだ。
それはファーウェイが長年積み上げてきた成功体験を自ら捨て、ビジネスの布陣を大胆に転換する野心的な試みだ。生き残りを懸けた総力戦にほかならず、その遂行は相当な痛みや混乱も伴う。
ファーウェイの大変身の裏には、どんな経営戦略があるのか。そして今、同社の社内では何が起きているのか。東洋経済の提携先である中国の「財新」が配信した特集記事の邦訳を、3回連載でお届けする。

ファーウェイのコンシューマー製品事業を率いる余承東氏は、社員たちの間で「消防隊長」の異名をとる豪腕マネジャーだ。かつて欧州法人のトップとして現地の通信事業者向けのビジネスを切り拓き、続いてファーウェイのスマートフォンをアップルやサムスン電子と競うグローバル・ブランドに育てあげた。その実績は、社内外で高い評価と人望を集めている。

そんな余氏に最近、新たなミッションが加わった。それは「自動車を売る」ことだ。

ファーウェイ専売店でEVを販売

今年4月に開催された中国最大級の自動車展示会、上海国際自動車ショー(上海モーターショー)は、ファーウェイにとって戦略的に重要な「ショーケース」となった。開催期間中の4月20日、余氏は上海市の繁華街の南京東路にあるファーウェイ製品の大型専売店でイベントを開き、同社が販売する初の自動車「賽力斯SF5 華為智選(セレスSF5 ファーウェイ・スマート・セレクション)」をお披露目した。