2023年9月末までに閉鎖する日鉄日新製鋼の呉製鉄所(広島県)(写真:日本製鉄)

2020年後半から需給が一変したことで鉄鋼業界に追い風が吹いている。が、日本製鉄やJFEに浮かれた様子はない。

というのも、日本の鉄鋼業を取り巻く大きな構図は何一つ変わっていないからだ。

長年、日本の粗鋼生産量は約1億トンあり、このうち国内に6割、輸出に4割振り向けられてきた。国内向けの一部は取引先の製品(自動車や産業機械など)として間接輸出されている。つまり、純粋な内需向けは4000万トンだ。

この内需向けは高齢化と人口減少で長期的には縮小が避けられない。間接輸出の約2000万トンも顧客の現地化で基本は縮小していく。輸出向けの約4000万トンは、この先、圧倒的な生産能力を持つ中国が輸出に本腰を入れた場合、大きな影響を受けることが見込まれている。

こうした危機感が、各社を国内製造拠点の再編に走らせてきた。

国内設備の縮小計画は不変