JTは加熱式たばこ「プルーム」シリーズ(右)の新商品を今夏投入し、アイコスの後塵を拝している加熱式の市場での巻き返しを狙う(左:尾形文繁、右:編集部撮影)

「『IQOS(アイコス)』と比べても商品の出来に自信はある」

日本たばこ産業(JT)の寺畠正道社長が、そう力を込める商品がある。今夏に発売する「Ploom X(プルーム・エックス)」だ。火を使わず、煙や灰の出ない加熱式たばこの新製品となる。

紙巻きたばこで世界シェア4位、日本国内ではシェア1位。そのJTが、加熱式たばこ市場で追い詰められている。

直近5年で急拡大した加熱式は現在、国内たばこ市場全体の約3割にまで成長している。だが、日本の加熱式たばこ市場における圧倒的強者は、シェア7割を握るアメリカのフィリップ モリス インターナショナルの「アイコス」。対してJTの「プルーム」シリーズは1割にすぎない。

プルーム・エックスはまさにJTが起死回生を狙う商品。同時に、海外での規格を考慮した「初のグローバルモデル」になる。JTが紙巻きたばこで3割超のシェアを握るロシアでも、展開することが決まっている。

社長主導でR&D機能を統合

プルーム・エックスの開発には、寺畠社長自ら「たばこ事業本部長」として携わってきた。

寺畠社長は2020年1月から同本部長を兼任。東京のJT本社にある国内たばこ事業と、海外たばこ事業を管轄するスイス・ジュネーブの子会社の双方が持つR&D(研究開発)機能をとりまとめ、一体化させた。その後、たばこの開発体制は大きく変わった。