米台関係を重視するバイデン大統領の意向を受け、元国務副長官のアーミテージ氏(左)らが4月に台湾を訪問(ロイター/アフロ)

同盟修復など伝統への回帰を進めるバイデン大統領の外交政策。だが、米政界では長年維持されてきた台湾政策の変更を求める議論が熱を帯びている。中心にあるのは、中国の侵攻を未然に防ぐには台湾を軍事的に支える意思をもっと鮮明に打ち出す必要がある、という問題意識だ。

1979年に中華人民共和国を中国における唯一の合法政府と正式に認めた後も、米国は巧みな政策で台湾と緊密な経済関係を築き、中国を牽制してきた。それでも、台湾有事の際の具体的な介入方針を米政府が明示したことは一度もない。このような「戦略的曖昧さ」で両立を狙ったのは、中国による侵略行動の抑止と台湾で高まる独立心の抑制だ。しかし中国が経済力を強め、挑発行動を繰り返すようになったことから、軌道修正を求める声が強まっている。