有料会員限定

五輪は「やるしかない」菅首相の苦境 ワクチン接種進捗については国民の強い不安・不満

✎ 1〜 ✎ 312 ✎ 313 ✎ 314 ✎ 最新
拡大
縮小

支持率30%台で政権運営に「黄色信号」が点灯。ワクチンと五輪問題で眠れぬ日が続く。

菅氏に五輪中止の選択肢はない(写真は昨年11月に来日したバッハ国際オリンピック委員会会長との会談)(ロイター/ アフロ)

最近、「早寝、早起き」で知られる菅義偉首相は寝つきが悪く、これまでのように安眠できないという。

日本は主要7カ国(G7)首脳会議メンバーの中で新型コロナウイルスのワクチン接種率が最も低い。菅氏は3度目の緊急事態宣言の延長を決めた5月7日の記者会見で、「私自身が先頭に立ち、接種の加速化を実行する」と大見得を切った。だが遅々として進まない接種状況にしびれを切らし、官邸主導接種体制の再構築に乗り出して7月末までに3600万人の高齢者への接種を終えると宣言した。だが現状は厳しく、8月末までずれ込みそうだ。

そうした中、NHKの世論調査(5月7~9日実施)の結果が判明するや永田町に衝撃が走った。ワクチン接種進捗について「順調だ」の9%に対し、「遅い」は82%に達し、国民の強い不安・不満があらわになった。内閣支持率は前回比9ポイント減の35%、不支持率が5ポイント増の43%となり、支持、不支持が再逆転した。時事通信調査(同7~10日)でも内閣支持率が前月比4.4ポイント減の32.2%、不支持率は6.9ポイント増の44.6%だった。調査実施中の9日時点で、65歳以上の高齢者のうち1回目の接種が終わった割合は全国で0.9%、東京都で0.6%にとどまり、82%が「遅い」としたのもうなずける。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内