日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

菅義偉首相は、4月の国会で「こども庁」の創設を検討する考えを示した。子ども・子育て分野は、仕事と育児の両立の難しさ、子どもの貧困や教育格差、少子化の進展などさまざまな課題がある。その対策は内閣府、厚生労働省、文部科学省など複数の省庁にまたがってきたが、「縦割り行政」の弊害を克服して、一元的な組織を創設するという。

こども庁の青写真は明らかになっていないが、この分野の重要課題の解決に向かうのであれば、歓迎したい。筆者は、とくに以下の2つの課題が重要だと考えている。

第1の課題は、子育てや教育分野の財源確保である。OECD(経済協力開発機構)によれば、子育て関連の社会支出(対GDP〈国内総生産〉比、2017年度)は英国3.19%、ドイツ2.40%、スウェーデン3.42%に対し、日本は1.58%と低い。また、16年の小学校から大学までの教育機関に対する公的支出も、日本はOECD35カ国の中で最も低い。