「いつしか“顔"が見えないサービスになった」 インタビュー/東京都市大学教授、元ヤフートピックス編集長 奥村倫弘

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日本最大のニュースメディアが岐路に立っている。その”公共性”をめぐり、沸騰する議論を追った。

奥村倫弘(おくむら・みちひろ) 1969年大阪府生まれ。同志社大学卒。1992年読売新聞大阪本社入社。1998年にヤフーに移り、ヤフーニュースの立ち上げ人としてプロジェクトに携わったほか、ヤフートピックス編集長、メディアサービスカンパニー編集本部長を務めた。その後、ウェブメディア「THE PAGE」の編集長を経て、2019年4月から東京都市大学教授(記者撮影)

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「Yahoo!ニュース」のトピックス編集部やヤフー傘下のニュースサイト「THE PAGE」などで編集長を務め、1998年から約20年間、同グループに在籍した奥村倫弘氏。現在はメディア運営者の立場から離れ、東京都市大学教授としてインターネットメディアの可能性と諸問題を研究する。組織の内側、外側からヤフーニュースを見つめてきた同氏は、その変遷と今後に何を思うのか。

 

――1998年の入社から長きにわたり、ヤフーニュースに携わってきました。

ヤフーへの入社時は、カテゴリーの整備やサイトの登録などを行う「サーファー」という役職での採用だった。その当時はロボット型検索がまだ一般的でなく、そうした作業を人手で行っていた。その傍ら、現在のニューストピックス欄の原型のようなものもすでにあったので、その編集にも携わっていた。

入社した当初、ヤフーニュースではまだスポーツの記事などを扱っておらず、政治・社会といった硬いニュースだけを取り上げていた。ただ読者層を広げるためには、取り扱うジャンルを拡大したほうがいい。自分でそういう提案もしながら、エンタメなどの柔らかいニュースにまで徐々に取り扱い範囲を広げていった。

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